シネマユニットガス高槻彰の事務所日記
宇宙企画の監督としてレギュラーだった頃、監督面接は悶絶もんでした。
女の子と1時間ちょっと話しながら考えなければならないことは、撮影する場所を決めることでした。その場所を決めるのに毎回悶絶していたのです。
なんで場所を決めることに悶絶?と思われるでしょう。

場所というのは、どこの場所(町・建物・自然)に立たせると一番自然なのか、つまり引き出すキャラを決めることです。下町の路地で普段着がいいとか、夜の六本木がいいとか、世界観を考えるのです。実際の女の子と違ってもいいのです、キャラですから。本当は風俗しかやっていない女の子を語学の専門学校生に見せたり、子供までいる女性を可愛い声してるという理由でロリぽく見せたりしました。
一人二人考えるのは楽ですが、それを毎回何年もやるのです。ネタも尽きてきます。それで悶絶することになります。いまのAVでは考えられないかもしれませんが、短編のドラマを作る作業に近かったかもしれません。
撮影は毎回二日撮りで、外撮りは重要でした。女の子のリアリティを作るところなのですから。坂を求めて尾道まで行った撮影隊もありました。

当時のAV業界は脱いでセックスまでする女の子が現在ほど多くないので、出演する女の子には有り難みがありました。またブログもない時代ですから視聴者との距離はかなりありました。そのような背景もあり当時のAV女優はいまよりも幻想に近かったのかもしれません。

話しが逸れました。面接の悶絶でした。
最近のAVの面接は、やることやれることを確認するくらいですから、つまらなくなりました。女の子の内面ではなく、技術の確認です。口内はOK?潮はどのくらいの量を吹ける?何人とできる?みたいな。女の子のプライベートな話しを聞いても、作品に活かすことができなくなりました。

悶絶を感じるのはAVだけではありません。NHK「わたしが子どもだったころ」の若い人のとき。藤原紀香・劇団ひとり・小池栄子など、若いタレントの時は本当につまらない。どうでもいいようなことをグダグダしてるだけ。作る人の悶絶が伝わってきます。自分もAVで同じ経験していたのでよくわかる。だって伝えるべきものが何もないんだもの。
でもそれは仕方のないことです。若いというのはそういうこと。平和な時代になにもなく育ってきた世代、なにもないのが当たり前というか、なにもなくて良かったと考えるべきか。

テーマ:日記 - ジャンル:アダルト

もう300人を越えた(5/22現在)インフルエンザの感染者数、すごい勢いです。ただ毒性は弱いみたいで良かったですね。

アメリカ大陸からの飛行機が到着する度に、完全な防護服を着た検査員が機内をサーモグラフィで検査する映画のようなニュース映像に、そんなに怖いウイルスなのか!と思ったことでしょう。また桝添厚生大臣が早朝の臨時記者会見なんかやるから、マスコミ含めみんな余計にびっくりしてしまった。それは実は誤報だったのだが、みんなの頭には政府がそこまでピリピリしているのだから、相当怖いウイルスだと植え付けられたことでしょう。

日本人感染者第一号は誰か、という興味が集まっていた頃、アメリカから日本の友人が帰国しました。40分くらいの検査の後、解放されたそうですが、友人が言うには「隣の席の日本人の男が明らかに風邪をひいていた。熱があったようで、到着前に冷たいタオルで頭を冷やしていた。調査票には熱があることを隠して申告していた。暴露してやろうかと思ったけど、自分も隔離されるのかと思って言わなかった。でもあの報道を見てると、言えなくなるのはわかる」
犯人みたいな扱いをされるのですから、確かにそれはよくわかる。隣席の男がウイルスを持っていたかどうかはわかりませんが、水際対策をしてもかいくぐった人などで感染は広がっていくのでしょう。

2003年、鳥インフルエンザから人に伝染する新型肺炎SARSサーズウイルスが中国から広がった。200人を超す死者が出て日本でも連日トップニュース扱いでした。
その最中に妻が北京にいました。心配でしたが、「わたしは大丈夫」と平然と出かけて行きました。しかし帰国の予定日になっても帰ってきません。いつも行程表など作らない旅なので、こちらとしてはどこに連絡していいのかわかりません。ニュースでは北京の現状を報じていて、不安は高まるばかりです。翌日も帰って来ず、帰りの便を聞こうと航空会社に電話してみましたが、プライバシーの関係で教えられないと言われる。また翌日も無しのつぶて。仕方なく警察で国際手配をお願いすることにした。その二日後くらいに妻がひょっこり帰ってきた。
「大変だったのよ。同じホテルから感染者が出ちゃって、ホテルからは出られないし、毎日廊下を消毒するから虫が私たちの部屋に入ってきちゃうの。感染?私は大丈夫」といつもの調子。その現場にいたのもすごいけど、その自信がすごい。
その後、ずっと暮らしているが確かに本人や自分が感染した兆候はない。
そんなルーズでいいの?結果として感染しなかったけど、もし感染してたらどうするの?とお叱りを受けそうだが、自分としてはこのくらいルーズの方が好きだな。きれいきれいな清潔第一みたいなのは、どうも好きになれない。
みんなにはウイルスに注意しましょうとは言いますが・・・。


最近はスカウトした女性を女優に育てる仕事をしています。
いろいろな個性の女の子がいます。なるべくそれぞれの個性を活かすように心掛けています。AV女優としての個性というのは、どうしたら伸び伸びとした演技を引き出せるかという点などです。例えば、自然に近いセックスを撮るにはどの男優とどうしたらいいか、どういう企画がいいか、責め系受け系どちらで作るのがいいか・・。受身形かと思ったら、責め系の女性もいれば、逆のタイプの女性もいます。

志紋ELLEという新人の専属女優がおります。おとなの女性ではありますが、セックスは違っていました。経験が少なかったばかりか、逆にトラウマがあり男嫌いで、セックスが好きではありませんでした。彼女には学歴があり、先生と呼ばれるような仕事もしている女性なので、ここまで自立してこれました。あまりAVに出演するタイプの女性ではありません。
彼女の一本目の撮影はイメージビデオでした。スタイルの良さを知ってほしかったからです。その撮影の前にオナニーを教えました。イメージVの撮影でしたが、快感というものを知ってもらうところから始めたのです。それはなんとか覚えてくれました。ビデオの中で、本気オナニーをするしないのやり取りのシーンがあったのはご存じの通りでしょう。

そのELLEさんでAVの撮影をしました。セックスが苦手な女性でAVを撮るのです。
セックスはオナニーとは違い、他人に気持を委ねます。通常の本番の回数を減らし、彼女の性感を高めることを第一目的としました。どう感じるか、イクことの回路がうまく見つかるか、などをテーマにしたのです。
たいがいの女優さんは演技する余裕がありますが、ELLEさんはそんな余裕がありません。体でぶつかってそれが表現となります。人間なので凸凹(個性)があります。その撮影がELLEさんのAVデビューとなりました。

せっかく一からセックスを教えるのですから、普通では面白くないと思っています。淫乱や変態にまで成長させたいと思っています。(自分が変態好きなのもあります。)ひとつ一つのAV作品がセックスを覚える彼女のドキュメント作品のようになればいいなと考えています。

テーマ:AV紹介 - ジャンル:アダルト

会社の近くの小さな飲み屋はランチが美味しくてよく立ち寄ります。70歳になろうかというお母さんが一人でやっています。料理はすべて手作りでお腹いっぱい食べさせてくれます。おかずを大盛りサービスしてくれることもあります。客は50代のサラリーマンが多い。
自分は大概その日の最初の客となります。会社に行く時間から、そうなることが多いのです。あるとき、その日いつものように最初の客として食事をしていると30代の女性のお客さんが入ってきました。すると途端にお母さんの表情が曇りました。表情が曇るお母さんは初めて見ました。どうしたんだろうと考えていたら、思い出したことがあります。

自宅近くの小さい居酒屋。70歳前後の夫婦がやっています。妻と二人でその店に飲みに行った帰り道、妻が言います。「あの店の女将さんは私を睨むように見ていた」というのです。自分はまったく気づきませんでした。「自分の店に女が来るのが嫌なのよ」
妻がいうには、自分の旦那が女性客を気にかける心配をしているのだという。ご主人にはチラチラ見られてたの?と聞くと、「全然。ご主人はわたしのことなんか気にもしていないのに、女将さんが一人気にしてる」らしい。自分で言うのもなんだが、確かに妻は綺麗な方だと思う。仮にご主人が気にしたとしてもおかしくはない。おそらく20代そこそこの女性客だったら、そんな心配はしないのだろうが、妻の年齢がそこそこだったから、女将さんは意識したのだろう。女将さんの勝手で余計なとり越し苦労ということになるのだが、歳をとっても女はいつまでも女なのである。やっかいなのは、そこが店だからである。こちらとしては食事しに行くだけの店ではあるが、女将さんにとっては自分の城である。女王としての城の領内に立ち入ってほしくない客もいるのだ。

そんなことを考えていた。そういえば自分は飲み屋のお母さんには贔屓されていたかもしれない。おかずを大盛りにしてくれるのも、その笑顔も、他のお客さんよりサービスが良かった気がする。お母さんとしては、僕と二人きりでいる時に客が入ってきた、それも女だった。なんか邪魔されたような気になったのではないか、とふと思った。やはりここもお母さんの城であり女王なのだ。考えすぎだろうか?
嫌なものを見てしまったような気がした。贔屓してくれるのは有難いが、女として意識していないお母さんが女を出しているのだ。熟年女性がみっともないと言うのではありません。逆に熟年から性を謳歌するのは良いことだと思っています。僕が言いたいのは、食事するだけの店では余計だということです。キャバクラじゃないんだから。誰に対してもいつもニコニコしているだけでいいのに。

それから少しずつ足が遠のいてしまうことになる。久しぶりに行くと「最近来なかったじゃない。気になってたのよ」とか言われ、よけいにまた行きづらくなる。美味しいお店だから行き続けたいのに・・・

NHK ETV特集『ひとりと一匹たち 多摩川 河川敷の物語』(再放送)を観た。東京多摩川の河川敷に暮らすホームレスたちのドキュメント。ホームレスたちの生活を数か月にわたって追いかけている。
http://www.nhk.or.jp/etv21c/backnum/index.html

青いビニールテントに住むホームレスたちはどういう生活をしているのか、お金は稼いでいるのか・・・カメラは彼らを追う。
ホームレスたちは河川敷暮らしを「川に降りる」という。(逆に社会に戻ることは「丘に上がる」というらしい) 川に下りた彼らは、食べていくためにはお金を稼がないといけない。多くのホームレスたちはアルミ缶を街中から集めてきては売る仕事をしている。そのわずかなお金で弁当を買ってきたり、火を使った簡単な調理の生活。
住まいはビニールテントだから雨がしのげるくらいのものだ。布団にくるまって寝る。時には襲撃を受けるという。「ホームレスなんて死んでもいい」と思う人がいるのだ。
ホームレスの多くは捨てられた猫や犬と一緒に生活している。丘で普通に暮らす私たちが、「良い人に拾われるんだよ」「幸せになるんだよ」と不要になって捨てた猫たちである。社会からはじき出された自分と重ね合わせるように犬や猫たちに愛情を注ぐ。自分の食費を削っても猫の缶詰を買ってあげるホームレスたち。
今年になりアルミ缶の相場が昨年の1/4に落ちてしまい、それでは生活がままならなくなってしまう。不況が生活を直撃する。

ホームレスになってしまうのは優しすぎるのでしょう。社会生活についていけず、ドロップアウトしてしまうと、ナレーションが最後に流れる。

良いものを観た。世の中で、何が大切で何が間違っているかを考えさせられた。
常に弱者は心優しい弱者によって助けられる。


青森の津軽三味線の高橋竹山は、門付け遊芸人(※)をしていた。盲目の障害者であり、行く先々ですごい差別を受けていた。その中で唯一優しく受け入れてくれたのは、朝鮮部落民だったという。高橋竹山の姿に、被差別同士の想いが交錯したのだろう。朝鮮部落民への気持ちが後に名曲「アリランによる独奏曲」を産むことになる。弱者は常に弱者を助く。

『ひとりと一匹たち 多摩川 河川敷の物語』は3月29日午前1時から再々放送されます。機会があれば是非ご覧下さい。とても良い番組です。


話しは変わりますが、映画に出演しました。『オカルト』というホラー物です。
http://www.occult-movie.com/
インディーズのとっても面白い作品です。
あの撮影がこんなになるんだ!と自分でも驚きました。こちらも是非!
3月21日より渋谷ユーロスペースにて公開です。


※一軒一軒三味線を弾いて歩く津軽の三味線弾き。家の中で弾くのではない。風が吹きすさぶ門の外から、中にいる家人に重い玄関を開けさせるために、その三味線の音は強くなければならなかった。

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